熊本ラーメンの特徴や王道店舗を徹底解説!博多とは違うスープや調味料の秘密とは
九州を代表するラーメンといえば、博多や久留米を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし熊本県が誇る熊本ラーメンは、それらとは一線を画す独特の魅力を持っています。
一口食べれば、その濃厚でコク深い味わいに驚くはず。
では、熊本ラーメンにはどんな特徴があるのでしょうか。
今回は熊本ラーメンの特徴や地元で愛される名店まで、熊本ラーメンの魅力をご紹介します。
熊本ラーメンの特徴を深掘り!スープや麺は何を使っている?

熊本ラーメンの最大の魅力は、その複雑で奥深い味わいにあります。
一見するとシンプルな豚骨ラーメンに見えますが、実は独自の進化を遂げた九州ラーメンの一ジャンルなのです。
ここでは、熊本ラーメンを構成する重要な要素について詳しく見ていきましょう。
スープは豚骨ベースに鶏ガラをブレンド
熊本ラーメンのスープは、豚骨だけでなく鶏ガラを組み合わせた独特のスタイルを取っています。
この製法により豚骨特有の濃厚さを保ちながらも、鶏ガラの旨みが加わることでコク深くマイルドな味わいに。
この組み合わせや熊本ラーメンならではのトッピング(後述)により、豚骨スープ特有の臭みを抑えています。
通常の豚骨スープよりも癖がないため、豚骨ラーメンが苦手な方でも食べやすいのも熊本ラーメンの特徴と言えるでしょう。
麺は中太でコシのあるストレート麺
熊本ラーメンの麺は中太のストレート麺が主流です。
博多ラーメンの細麺とは対照的に、しっかりとした食べ応えを感じられる太さです。
この麺は濃厚なスープとの相性を計算して選ばれており、スープをしっかり絡め取りながらも、麺本来のコシと小麦の風味を楽しめます。
茹で加減は店によって異なりますが、多くの店では程よい硬さに仕上げることで最後まで伸びにくく、おいしく食べられる工夫がなされています。
トッピングはシンプルながら個性的

熊本ラーメンのトッピングは、基本的にはシンプルな構成となっています。
定番としては、チャーシュー、ネギ、海苔などでしょうか。
同じ九州のラーメンである博多ラーメンなどには紅生姜や辛子高菜をトッピングするところも多いですが、熊本ラーメンではほとんど見かけません。
その反面、多くの店舗が細切りにしたきくらげをトッピングとして使用しています。

また、熊本ラーメンを語るうえで欠かせないトッピングがにんにく(生ではなく加工したものがほとんどです)。
にんにくチップやにんにくで香りづけをした香味油など店舗によって加工方法はさまざまですが、熊本ラーメンを名乗るお店のほとんどではにんにくをトッピングとして用いています。
特に「黒マー油」と呼ばれるにんにくの香味油はその味わいはもちろん、豚骨独特の臭み消しにも効果から熊本ラーメンに欠かせないトッピングとして認知が広まっています。
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にんにくの香ばしさと濃厚なスープ。
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熊本ラーメンが黒い理由

熊本ラーメンはものによっては黒い油が浮いていたり、白とは違う深い色合いをしていたりします。
この特徴的な黒色の正体は、黒マー油と呼ばれる調味料です。
マー油はにんにくや野菜などを焦がして作った香味油で、この油を加えることでスープ表面が黒く輝き、独特の香ばしさが生まれるのです。
マー油の使用は熊本市内のラーメン店「桂花」が始めたとされており、その後熊本ラーメンのアイデンティティとして定着しました。
焦がしたにんにくの風味は食欲を刺激し、豚骨と鶏ガラのスープに深みを与えます。
このビジュアルこそが、熊本ラーメンを他の九州ラーメンと区別するもっとも分かりやすい特徴と言えるでしょう。
関連コラム:熊本ラーメンに欠かせない!?黒マー油とは?起源や使い方を解説!
【比較】他地域の豚骨ラーメンとの決定的な違い

熊本ラーメンをはじめとする多くの九州ラーメンは久留米ラーメンが発祥と言われています。
しかし、それぞれに異なる特徴があるのがおもしろいところ。
特に熊本ラーメンには明確な違いがあります。
| ラーメン | 麺の特徴 | スープ | その他特徴 |
|---|---|---|---|
| 熊本ラーメン | 中太ストレート | 豚骨×鶏ガラ | にんにくを加工したものを入れるところがほとんど |
| 博多ラーメン | 極細ストレート | 白濁豚骨スープ | 替え玉文化あり 麺の硬さを好みで選べる |
| 久留米ラーメン | 細ストレート | 白濁豚骨スープ | – |
| 長浜ラーメン | 極細ストレート | 白濁豚骨スープ (博多より若干あっさり) | 替え玉文化あり麺の硬さを好みで選べる |
土地柄から細〜極細麺が主流で、またそれに伴う替え玉文化が根づいている福岡周辺とは違い、熊本ラーメンに替え玉文化はありません。
一杯を丁寧に味わうスタイルが主流となっています。
このように、同じ九州の豚骨ラーメンでも地域ごとに個性があり、熊本ラーメンはその中でも独特の進化を遂げた存在なのです。
本場の熊本ラーメンを味わうならココ!王道店舗3軒
熊本を訪れたなら、ぜひ本場の味を体験してほしいものです。
ここでは、地元で長年愛され続けている王道の3軒をご紹介しましょう。
黒亭 本店

「黒亭」はツヤプルッとした卵黄入りのラーメンが特に人気の店舗。
「玉子入りラーメン」は、お店で不動の一番人気を誇る定番メニューであり、黒亭の魅力を一度で味わい尽くせる一杯です。
黒亭のこだわりの具材、肩ロースの自家製チャーシューとシャキシャキの茹でたてもやしもトッピング。
黒亭のラーメンを初めて食べるなら、この「玉子入りラーメン」を選べば間違いありません。
まろやかなコクと、手作りの優しい味わいをぜひお楽しみください!
天外天 熊本駅店

天外天は「濃厚なのにあっさり」が最大の魅力の熊本ラーメンです。
豚骨と鶏ガラをブレンドしたスープは、しつこさがなくすっきり。
たっぷりの「にんにくパウダー」が風味を加えながらも重くならず、地元では飲みの〆としても大人気!
自家製細麺でスルスルと食べられる至福の一杯です。
桂花 本店
今では熊本ラーメンに欠かせないマー油の祖と言われる桂花ラーメン。
濃厚でありながら飲みやすいスープと、香ばしいマー油の組み合わせは、まさに熊本ラーメンの真髄!
桂花ラーメンを初めて味わうなら、まず基本の「桂花拉麺(ケイカラーメン)」がおすすめです。
昭和30年創業以来の伝統を守る、豚骨鶏ガラ白湯スープと香ばしいマー油のハーモニーを、中太ストレート麺とお楽しみください。
そして、さらに贅沢な体験を求めるなら、桂花の代名詞である「太肉麺(ターローメン)」を!
じっくり煮込んだ豚バラ肉の角煮「太肉(ターロー)」が豪快にトッピングされた、ボリューム満点の一杯です。
自宅でも味わえる熊本ラーメンの魅力

全国的にも人気を集めている熊本ラーメン。
本場の味を楽しむには熊本を訪れるのが一番ですが、最近では通販やインスタント麺でも本格的な熊本ラーメンを再現した商品が増えてきました。
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