乳糖不耐症で牛乳を飲むとお腹ゴロゴロ!なのにヨーグルトは食べられるのはなぜ?
「牛乳を飲むと必ずお腹がゴロゴロしてしまう……」そんな経験はありませんか?
一方、ヨーグルトはおいしく食べられる、という方も多いのではないでしょうか。
どちらも乳製品なのに、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
今回は、乳糖不耐症について解説していきます。
乳糖不耐症って?

乳糖不耐症とは、牛乳などの乳製品に含まれる「乳糖」が分解できない状態のこと。
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロ鳴ったり、腹痛に悩まされたりしたことはありませんか?
これは、乳糖不耐症で主に見られる症状なのです。
子どもだけでなく大人にも多く見られるもので、なんと日本人の成人約25%が乳糖不耐症なのだそう。
牛乳をたくさん飲めば耐性がつくわけでもないため、無理にたくさん摂取するのは控えた方が良いかもしれません。

乳糖とは、牛乳や乳製品に含まれる糖のこと。
本来であれば乳糖は小腸にある「ラクターゼ」と呼ばれる酵素で分解されるのですが、このラクターゼは人によって少ないことがあるのです。

分解されなかった乳糖は、大腸内の浸透圧を高め、大腸内の水分を増やし、下痢や腹痛を引き起こします。
さらに、発酵した乳糖は乳酸や炭酸ガスを発生させ、腸を圧迫・刺激するため、腹鳴(お腹がゴロゴロ鳴る音)の原因をもたらします。
なぜ乳糖を分解できないの?

乳糖が分解できないのは、酵素であるラクターゼが少ないからとお話しましたが、これは人体の構造上仕方ないところもあるのです。
人間は乳製品以外から栄養を摂取するため、必ずしも牛乳を摂取する必要はありません。
そのため、ラクターゼの量が次第に減っていく傾向にあるのです。
食生活に乳製品がそこまで根づいていない日本人をはじめとするアジア人は乳糖不耐症の割合が高いですが、一方で酪農文化の根強い外国ではラクターゼの量が多く、乳糖不耐症の人も少ないのだそう。
乳糖不耐症と牛乳アレルギーの違い

乳糖不耐症と牛乳アレルギーはまったく違うものです。
牛乳アレルギーは名前のとおり食物アレルギーに分類されます。
牛乳アレルギーの人が牛乳などの乳製品を摂取すると、腹痛や下痢だけでなく、じんましんや呼吸困難、アナフィラキシー反応などを引き起こします。
乳糖不耐症が命に関わることはほとんどありませんが、牛乳アレルギーは違うのです。
ヨーグルトはなぜ食べられる?

牛乳を飲むとお腹が痛くなる、という人も、ヨーグルト(またはほかの乳製品)であれば問題なく食べられることがあります。
これは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌に乳糖の分解を助ける機能があり、乳糖の分解不足を補ってくれるため。
さらに、発酵によって乳糖の一部がすでに分解されていることも理由の一つ。
分解されることで、消化・吸収されやすい形に変化しているため、ヨーグルトを食べても腹痛などを引き起こしにくいのです。
乳糖不耐症でも大丈夫!ヨーグルトで健やかな腸活を

牛乳を飲むとお腹を壊してしまう……、という方でもヨーグルトは乳酸菌が乳糖を分解してくれるため、おいしく食べることができます。
今回は乳糖不耐症の原因や、ヨーグルトがなぜ食べられるのかについて解説しました。
乳糖不耐症が原因で牛乳が飲めずに悩んでいる方は、ぜひヨーグルトを食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。