味噌は腐らないって本当?長持ちさせる保存方法と、傷んだ味噌の見分け方
発酵食品の代表格として、日本の食卓に欠かせない味噌。
古くから保存食として親しまれてきた味噌ですが「味噌は腐らない」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、味噌がなぜ腐りにくいのか、長持ちさせるための保存方法、そして傷んでしまった味噌の見分け方についてご紹介します。
味噌はなぜ腐りにくい?

食べ物であるため「腐らない」と断言はできませんが、比較的「腐りにくい」食べ物であることは確かです。
味噌が腐りにくい理由は、大きく分けて2つの要素が考えられます。
味噌の発酵の力
味噌は、大豆、米麹、塩を主な材料とし、乳酸菌などの微生物によって発酵させた食品です。
この発酵過程で生成される乳酸菌や酵母などの微生物は、ほかの雑菌の繁殖を抑える働きがあります。
いわば、味噌自体が自然の防腐剤を持っているようなものなのです!
塩分の働き

味噌には、原料となる塩分を豊富に含みます。
この塩分が味噌に含まれる水分活性(※)を下げ、雑菌の繁殖を抑える役割を果たしているのです。
塩分濃度が高いと、多くの種類の細菌は生育することができません。
そのため、古くから伝わる保存食の多くは塩につけ込むことが多いというわけです。
※微生物が利用できる水分のこと。水分活性が多いと、それだけ微生物が繁殖しやすい。
味噌の適切な保存方法

味噌の保存方法は、開封前と開封後で異なります。
開封後は比較的、劣化が早く進むため少し注意が必要です。
詳細を解説します。
未開封の味噌
未開封の味噌は、常温で保存することができます。
ただ、味噌は生きている食品であるため、温度が高い場所や湿度の高い場所での保存はおすすめできません。
品質の劣化を早めてしまう可能性があります。
直射日光を避け、温度変化の少ない冷暗所で保存すると良いでしょう。
開封後の味噌

開封後の味噌は冷蔵庫で保存するようにしましょう。
開封し空気に触れると酸化が進み、風味が変化しやすくなります。
そのため、冷蔵庫での保存がおすすめなのです。
冷蔵庫 or 冷凍庫?

味噌は冷凍庫での保存も可能です。
カチコチに凍ることはないですが、味噌を冷凍保存すると発酵が止まり、風味や味が変化しないメリットがあります。
冷蔵庫でも長持ちはしますが、より長く、品質の高い状態で保存しておきたい場合は冷凍がおすすめ。
ただ、容器ごと凍らせると解凍が大変ですし、解凍と冷凍を繰り返すこととなり、逆に劣化を早めてしまいます。
味噌を冷凍保存する場合はラップに包んだり、小さな容器に入れたりして小分けにするようにしましょう。
傷んだ味噌の見分け方
味噌が傷んでいるかどうかは、見た目や香り、味で判断することができます。
見た目: カビが生えている、色が変色している、水分が出ている
香り: 酸っぱい臭い、異臭がする
味: 酸っぱい、苦い、味が変わった
これらの症状が見られた場合は、残念ながら味噌が傷んでいる可能性が高いです。
傷んだ味噌は食べず、廃棄してください。
上記の条件にあてはまらなくても、何か少しでも違和感を覚えたら食べるのをやめ、廃棄するようにしましょう。
味噌を長くおいしく楽しむための秘訣

味噌は発酵と塩分の働きによって、長い間保存できる優れた食品です。
しかし、永遠に腐らないわけではありません。
適切な保存方法を守り、定期的に状態をチェックすることが大切です。
ただ、味噌が長持ちすると言っても、限度はあります。
早めに消費することを心がけましょう。