油揚げは何からできている?原料の正体と豆腐との違い・製造工程を解説

和食の定番食材として親しまれている油揚げ。
加えるだけで料理のうま味が深まる油揚げは、お味噌汁に煮物にと大活躍!

では、この油揚げがどのように作られているかご存知ですか?

普段口にしている豆腐をそのまま揚げたもの?
いいえ、実はそうではないのです!

今回は油揚げの基本成分から豆腐との違いや製造工程まで、分かりやすく解説します。

油揚げの基本的な原材料と主な成分とは?

油揚げは、主に豆乳を凝固させた生地を油で揚げることで作られています。
つまり、原材料で言えば「大豆」と「植物油」ですね。

「豆乳を固めた生地って、結局豆腐のことでは?」そう思われるのも無理はありません。

油揚げ用の生地を作る際、豆乳を固めるために「凝固剤」を使用します。
この工程は豆腐と同じですが、この凝固剤の違いがただの豆腐との違いを生み出す鍵となるのです。

豆乳を固める「凝固剤」の役割

「にがり」を代表とする凝固剤は、豆腐はもちろん油揚げ用の生地を作る際にも欠かせない成分です。

実はこの凝固剤、タンパク質を固める働きだけでなく、種類や加えるタイミングによって、生地の硬さや保水性が変化する仕組みも持っているのです。

一般の豆腐とは異なり、油揚げ用の生地には油で揚げた際に大きく膨らむ、独特の質感が求められます。

そのため、油揚げ用の生地を作る際は「塩化カルシウム」を用いたり(※)、通常の木綿豆腐を作る場合と比べて多めの凝固剤を入れたりなど、細かな調節によって凝固の状態を緻密にコントロールしているのです。

※豆腐で使われる凝固剤「にがり」はいわゆる「塩化マグネシウム」が主成分。

香ばしさと食感を生む揚げ油の種類

油揚げの揚げ油には、主に植物性のものが用いられます。

油の品質や種類は、口当たりや香ばしさに直接影響を与えるため、こだわっている企業も少なくありません。

ただし、いくら良い油を使用していても、時間経過に伴う油の酸化は避けて通れません

使用期限は守り、期限内に食べ切るようにしましょう。

関連コラム:油揚げの賞味期限切れはいつまで食べられる?傷んだ特徴と長持ちさせる保存法

薄切り豆腐と何が違う?油揚げ専用の生地作り

油揚げは単に普通の豆腐を薄く切って揚げたものではありません。

豆腐と油揚げでは生地を作る段階から手間や管理方法に明確な違いが存在します。

特筆すべきは、豆乳の作り方でしょうか。
その工夫について、具体的な詳細を確かめていきましょう。

豆乳の作り方の違い

油揚げ作りは一般的な豆腐をそのまま流用するのではなく、専用の豆乳作りから始まります。
通常食べる豆腐と油揚げでは目指す生地の性質が大きく異なっているためです。

油揚げ用の生地では、油で揚げたときに均一に膨らむ特徴が求められます。

そのために、大豆の旨味をしっかり残しつつ、揚げ工程に適した密度の豆乳を抽出することが求められるのです。

豆乳製造における工夫①:温度管理

油揚げ専用の生地を作る過では生呉(なまご※)の温度管理を慎重に行っています。
一般的な豆腐作りでは「生呉」を完全に沸騰させる工程を挟みます。

しかし、油揚げ用の生地の場合は豆乳を過度に煮立たせないよう、沸騰直前で水を加えて調整。
こうすることで、タンパク質の状態を最適に保ちます。

こうした工夫が、揚げた際にしっかりと膨らむ生地を生み出す秘訣なのです。

温度はもちろん、湿度の変化にも合わせて煮炊きや冷却の調整を行います

凝固においても温度は重要で、豆乳とおからに絞り分けた後は豆腐より低めの70℃前後で固める工程に移ります。

また、揚げる際の温度管理も重要。

最初は低温(「のばし」と呼ばれる工程)で、最後は170〜200℃ほどの高温で二度揚げ(「からし」と呼ばれる工程)を行うのが一般的な作り方です。

※生呉(なまご)とは

生呉とは、おからと豆乳が合わさったどろどろとした液体のこと。
これを絞ると、みんなが知る豆乳とおからに分かれるわけですね。

豆乳製造における工夫②:脱水方法

油揚げの生地作りでは水分をしっかりと切る工程に多くの時間と手間が掛けられます。

水分が多く残っていると、油で揚げた際に上手に膨らまなかったり食感が損なわれたりするためです。

豆乳から成型された生地にじっくり圧力をかけ、丁寧に水抜きを行うことで水分の含有率を低く抑えます。

水分量を徹底的に調整することで中まで均一に火が通りふっくらとした食感に仕上がります。

熊本名物「南関あげ」と一般的な油揚げの製造工程の違い

南関あげは一般的な油揚げよりも含まれる水分が極端に少ない、熊本生まれの油揚げ。

大きな違いは、水分の抜き方にあります。

通常の油揚げは、じっくりと水分を抜きますが南関あげは薄くスライスした生地を、重圧プレスを用いて極限まで脱水します。

この工程を経ることで、揚げる前には信じられないほど薄く、硬い豆腐の板になります。

一般的な油揚げは効率化のために機械ラインで揚げられることも多いですが、南関あげを製造する「塩山食品」では生地の状態を見極めながら、現在でも職人がすべて手作業で1枚ずつ丁寧に手揚げを行っています

【冷蔵保存も油抜きも不要な、スーパー油揚げ】

賞味期限が数日と短いし、冷凍保存しようにも油抜きが必要で面倒……

こうお考えの方におすすめなのが、熊本県の「南関あげ」。

南関あげは通常の油揚げよりも水分をギュッと絞った状態で揚げているため、保存期間がとーーーっても長いのです!

その賞味期限は、なんと約90日。

油抜きも基本不要で、もしも冷凍保存をする場合もただラップにくるんで冷凍庫へ入れるだけ!

ふっくらもちもち食感の南関あげ、ぜひご家庭でお試しください。

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まとめ:油揚げをもっとおいしく味わうために

油揚げは、大豆をはじめとするシンプルな原材料と、専用生地作り・二度揚げという丁寧な工程を経て私たちの食卓に届きます。

製法や素材の成り立ちを理解すると、調理前の「油抜き」がなぜ必要なのか、どうしてがよく染み込むのかといった理由も納得できるはずです。

ぜひ今回の知識を生かして、丁寧な下ごしらえとともに日々の料理で油揚げのおいしさを存分に引き出してみてはいかがでしょうか。

【常温で90日間の保存が可能な油揚げ】

冷凍する手間が面倒に感じる方には、熊本名物の南関あげが非常におすすめ。

南関あげは面倒な冷凍保存をしなくても、常温のままで約3カ月もの長期保存が可能!
その秘密は通常の油揚げより、含む水分量が圧倒的に少ないから。

油抜きも基本不要で、だしが染み込んだお揚げはもちもちジューシーな食感!

ぜひ、熊本の味「南関揚げ」をご家庭でお試しください。

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